キャサリン・ストットキャサリン・ストット(ピアノ) Kathryn Stott
イギリス、ランカシャー生まれ。ユーディ・メニューイン音楽院にてヴラド・ペルルミュテールおよびナディア・ブーランジェに学ぶ。その後ロンドン王立音楽院を卒業、1978年のリーズ国際ピアノ・コンクール入賞から国際的な活躍が始まった。これまでにサイモン・ラトル、チャールズ・グローヴズ、オッコ・カム等の指揮者や世界各国のオーケストラと共演、室内楽奏者としてはマイケル・コリンズ、トゥルルス・モルク、ジャニーヌ・ヤンセン、小川典子等と共演を続けているが、特にヨーヨー・マとは数多く7度の来日公演で共演している。

多くの著名な現代音楽の作曲家たちから曲を提供されている。最近ではコンセルトヘボウがフィトキンに委嘱した新作のピアノ三重奏曲の初演も行ったのを始めとして、マイケル・ナイマン、マックスウェル=デイヴィス、ポール・シェンフィールドらの作品を初演。前述のフィトキンは更に「二つのピアノのためのサーキット」を小川典子と初演。批評家に絶賛され、日本でもたびたび演奏されている。

録音はフォーレのソロ・ピアノ全作品集、ドビュッシー、ラヴェル等多くのフランス音楽や、ジョン・ファウルズ作品集や「マラゲーニャ」「タブー」で知られるラテン音楽のレクオーナなどのピアノ曲、ナイマン、マックスウェル=デイヴィス等多くの現代作品。他にもケクラン、シュルホフ、カバレフスキーのピアノ協奏曲、ディーリアスの作品集(小川典子とのデュオ)。ヨーヨー・マとはグラミー賞を受賞した「ソウル・オヴ・タンゴ」のほか、フランスの作品集「パリ〜ベル・エポック」、ブラジル作品集「オブリガード・ブラジル」(グラミー賞受賞)などがある。

1995年にはフランス音楽を広めた業績が認められ、芸術文芸シュヴァリエ勲章を授与された。また、ロンドン王立音楽院の教授としても活躍している。2009年から2014年まではマンチェスター室内楽協会の芸術監督を務めた。2014年にはイタリアのチェリスト・作曲家のジョヴァンニ・ソッリマとのイギリス・ツアーやファン・パブロ・ジョフレ・ハード・タンゴ・バンドとのニューヨーク公演なども行っている。2015年にはヨーヨー・マとのデュオ・パートナーとなって30年記念も迎えた。

 一人娘、ルーシーとマンチェスターに住み、コンサートや録音から離れた貴重な時間には、モノクロ写真の収集とイタリア語を学ぶ。